TOKYO IDOL QUEENになった

1月26日、わたしはTOKYO IDOL QUEENというコンテストに出ることになった。約3ヶ月の投票期間が設けられ、1位になると、IDOL FILEという雑誌の表紙を飾ることができ、そして巻頭8ページに特集が組まれるというコンテストだった。プロデューサーから「出てみない?」と言われて、二つ返事で快諾した。そして昨日の4月10日、わたしはTOKYO IDOL QUEENになった。

  • 親孝行がしたかった

わたしが今回TOKYO IDOL QUEENに参加した理由はただ一つ、「親孝行がしたかった」からだ。もちろん、雑誌の表紙になることで『じゅじゅというアイドルグループにいるちゅん』の認知が広がり、たくさんの人にじゅじゅを聴いて、観てもらい、人気が高くなり、なんやかんやでMステに出られたりなんかしたらそれはとても素晴らしいことだけれど、わたしの1番の参加理由は「親孝行がしたかった」からだ。“自分の娘が雑誌の表紙になり全国の書店に並んでいる”という状況を、つくりたかった。

わたしは、わたしのことをめちゃくちゃ親不孝者だと思っている。両親は「いい大学に入って、いい会社に入って、いい人と出会って、いい家庭を築くこと」をわたしに願っていた。だから高いお金を出して私立の中高に通わせてもらえたし、大学附属だったにも関わらずもっと上の大学に行きたいと駄々をこねて大学受験をさせてもらった。(失敗した。)大卒という肩書きを得るために大学に通い、一部上場企業に入社するために学部1厳しいと言われるゼミに入り、「協調性がない」「TPOを弁えられない」「なんでも1人でやろうとしてチームを頼らない」などと文句を言われ続けながら3年間ゼミ長を務めた。(マジで最悪なゼミ長だったと思う)何度も辞めたいと思ったし毎日泣いていたけれど、親が望む娘になるため、一流企業に入るためだと言い聞かせ、そして今、地下アイドルになっている。ウケる。

そんな生きるのが下手すぎる馬鹿な娘を、少しでも誇らしく思ってくれたらいいなと思った。

  • 本気になるのが怖かった

投票が始まってから最初の中間発表で、わたしは2位だった。そしてその後の中間発表でも、何度も何度も2位と発表されて、焦ったわたしが投票特典をつけたのは、投票期間が残り1ヶ月を切ったくらいからだった。

正直、投票特典をつけるのがとても怖かった。本気を出すのが怖かった。なにかに本気で取り組んだ場合、もしそれが達成されなかった時のショックというのは、馬鹿みたいにデカい。手を抜けば、達成されなくても自分に言い訳ができる。“まだ本気じゃなかったから”と楽になれる。けれど本気を出したらそうはいかない。だからわたしは本気を出すのが本当に怖かった。

けれどこのままだときっと1位になれないことを、中間発表で理解した。

  • つきまとう罪悪感

本気を出すということは、皆に負担をかけさせてしまうということとイコールだ。

忘れてはいけないのは、頑張るのはわたしではなく、応援してくれる皆ということだ。

雑誌を買うのも、はがきに名前を書くのも、ポストに投函するのも、全て皆だ。罪悪感で押しつぶされそうだった。『投票はがきが付属している1冊1500円の雑誌を何冊も何冊も買ってもらうこと』をお願いするのが本当に本当に辛かった。品薄になっていた雑誌の在庫を毎日毎日調べたり、あちこちの書店を探し回ったり、違う県まで買いに行ったり、皆の“本気”をいつもTwitterで見ていた。

そして、皆が本気であればあるほど、これで1位になれなかったとき、わたしはどうすればいいんだろうという恐怖が増幅していった。皆が頑張った分を全て無かったことにしてしまうと思うと、死んでしまいたくなった。一生引きずって、皆に何回も何十回も何百回も謝罪して、それでも前を向けない未来が安易に予想できた。

しかし皆は「絶対に大丈夫」とわたしに声を掛け続けてくれた。「絶対に1位になれるからね」と励まし続けてくれた。わたしは皆を信じて祈ることしかできなかった。

1400枚の投票はがき

投票特典をつけて、皆がたくさん雑誌を買うようになって、そうして迎えた最後の中間発表。わたしがまだ2位だったことに、皆が驚いていた。「これでも2位ってどういうことなの」と悲しみと怒りが混じったような皆のツイートを、わたしはただ眺めてソワソワするしかなかった。まだみんなに言っていないことがある。

「事務所に…1400枚あるんですよね…」

1推しにわたしの名前が書かれた投票はがきが、まだ事務所にある。1400枚くらいある。

中間発表で順位がよければ、他アイドルさんのファンの方々の闘争心を煽ることに繋がり、もっと競争が激化するかもしれない。ならば最終中間発表でもわたしが2位でいるほうが安全だという考えから、事務所に届いている1400枚の投票はがきは最終中間発表のあとにまとめて提出した。他にもこの作戦をとっている事務所があるかもしれない、という不安は消えなかったけれど、1400枚という定量的な情報は、わたしをめちゃくちゃに安心させた。しかし、はがきをまだ出していないことを公表出来ず、皆を不安にさせたことは本当に申し訳なかった。

  • 投票してくれた皆へ

いままで本当にありがとうございました。投票期間中、皆の苦しんでいる姿を見て、「結果がどうであれ、もう2度とこういう投票系のヤツは参加しない」と決意しました。「表紙になってほしいから、好きでお金を出している。何も気にすることない。」と暖かい言葉をたくさんかけていただきましたが、残念なことにわたしは「だよねー!じゃあもっとわたしのために積んでねっ☆彡.。」などと言えるようなメンタルは持ち合わせてなく、ひたすらに申し訳ないという気持ちでいっぱいになってしまったので、もう2度と参加しません。ちゅんちゃんがこういうのに参加するの意外!と結構言われましたが、本当にその通りで、マジで向いていないと思います。

なにはともあれ、最初で最後の投票企画、1位にさせていただいて本当にありがとうございます。何も悔いはありません、と言いたいところですが、1つだけあります。投票特典を付けるのが遅かったために、その期間以前にたくさん投票してくれた分のお礼が不十分であることです。無償の愛というものに慣れていないので、優しくされっぱなしが落ち着かないのです。お金を渡してしまいそうです。LINEのIDとか教えてしまいそうです。しかしそれは多分ダメなので、どうすればいいでしょうか。本当にすみません。もっと頭のいい人間になれるように頑張ります。わたしはあなたがたくさん応援してくれたことを知っています。分かっています。本当にありがとうございます。

あと、少ししか投票できなくてごめんなさい、というツイートを多く見かけました。どうか謝らないでください。あなたが出来る範囲で精一杯応援してくれたのなら、それでじゅうぶんです。だから、祝う資格がないとか言わないでください。たくさん喜んでください。それがわたしにとって1番嬉しいです。

そして、何十冊も買って、何十枚も投票してくれた皆。投票はがきが並べられている写真を見かけたり、買い足したというツイートを見かけたり、物販で大量の雑誌を持っているのを見かけるたび、土下座したくなるほど感謝の気持ちでいっぱいでした。皆がわたしを大切に思ってくれているのと同じように、わたしも皆のことを大切に思っています。

わたしは悲しい時や苦しい時はぽんぽんと言葉が出てくるのに、嬉しい時は「ありがとう」くらいしか言葉が出てこないし、ちゃんと伝わっているかとても不安なのですが、本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。


  • メンバーへ

ねうちゃん、みおり、ゆらね、応援してくれて、本当にありがとう。投票特典をわたし以外にも付けることなったとき、わたしの企画のくせに皆にも協力してもらうことになってしまい、本当に申し訳なかったです。でも、「大丈夫だよ!」「1位になれるといいね!」と励ましてくれて、本当にありがとう。結果発表のあと、真っ先にラインをくれてありがとう。皆のことが本当に本当に大好き!!!


  • 母へ

見ていますか。あまりわたしのSNSを見て欲しくないのですが、先々月にCDがリリースしたことすら言わなかったのに、スピーカーの上にCDが置いてあったということは、多分そういうことですよね。

去年の春、「わたしには何も出来ない、頑張れない、死にたい」と独りで毎日毎日泣き続けたあなたの娘は、今、こんなにたくさんの人に愛されるアイドルになりました。

ねえ、まま、わたし、少しは、ほんの少しは、ままの自慢の娘に近づけたかな

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